当会模擬テスト添付資料「得点順合格データ」からの考察 part4

前回のブログで、女子平均点92点以下の子供の有名校合格例を挙げましたが、数十年模擬テストに関わってきたからこそお伝え出来る事があるのでご紹介しましょう。

 

140点満点の当会模擬テストで130点以上の得点を出す子供は稀で、年間で1人もいないことの方が多いのですが、回が浅い時期は男女差も大きく(もちろん発達の早い女子が上です)徐々に差が縮まります。

 

私はよく「男女共に100点を目標にしてください。その実力が備われば、どの学校を受験されても様々な考査に対応可能になりますから」とお伝えするのですが、実際その通りで100点以上の実力が備われば、男女共に志望校の選択肢が広がり、選びが容易になってきます。

 

 

ほとんどの附属小学校が、子供の考査の結果で絞り込み(学校によって条件は異なります)その上で面接や願書を通じ、以下の条件でご家庭をより絞り込むのが小学校受験の選びです。(幼稚園は親の絞り込みが優先です。)

 

⑴親を大切な人財と考え、子供や親、教職員に影響力の大きい家庭の絞り込みを大切にしている附属小学校。(面接や願書を通じて絞り込み)

 

⑵受験する附属小学校の理念や方針を理解し、協力できる親であれば構わない程度の条件で選ぶ附属小学校。(面接や願書を通じて)

 

⑶ほぼ子供の考査結果のみで家庭を絞り込む附属小学校(面接を行わない附属小学校もあります)

 

上記の条件を考慮して最終判断をしているのですが、入学後の一、二年間はともかく三年生以降ともなると、その附属の指導を通じて成長著しい生徒になっているか否かの差は生じていくものです。

 

 

当会の第4回(8月)から第5・6回模擬テスト(9月)の得点が100点以上であれば、高い総合力の偏らない発達を身につけているので、入学後数年を経ても順調な成長が見込めます。

 

たとえ100点まで届かず平均点の領域だったとしても、目立つ欠点が無いバランスの良い子供は入学後も伸びていきます。その結果「補欠繰上り合格」での入学だったとしても、何も心配することはありません。暫くすると発達の良い子供との格差が無くなっていくことに気付かれるでしょう。

 

月齢が低くても、バランスの良い子供は受験後も成長を続け、12月の筑波大附属やお茶の水女子大附属の考査時期が丁度良い発達となる子供が多いので、国立附属の過去問だけに特化した準備をせずに、全ての附属小学校に対応可能な総合力を身に着けさせることが肝要です。大切なのは入学後の成長なのですから。

 

 

過去問中心に特化した考査の為だけの準備を続けてきた子供は、総合発達のバランスが悪く、低学年以降に比較的伸び悩む傾向があるのは否めません。低学年を幼児期の学習の延長線上と捉えて、バランスの良い成長を促し高学年に繋げることが肝要です。

 

最後に、教室卒業後も縁を続けて頂けるご家庭が多いために、お伝え出来る事なのですが…

 

洗足学園や都市大附属、国立学園などの「中学受験を目指す子供が大半の附属小学校に入学」された子供だけでなく、「中学受験をする生徒が皆無のイメージが高い附属小に入学」した子供であっても、考査に近い時期の当会の模擬テストで100点以上の結果を出している子供は、他校への中学受験をしても良い結果に繋がることが多いのです。

 

小学校受験準備を偏ったものにせず、知育面も精神力も公立小学校の二年生並みの成長をした子供達であるからこそ可能な模擬テストの高い得点領域は、6年後の中学受験であっても結果を出せる力量であることを証明しています。

 

 

70以上の高偏差値中学に進学した子供は、110点以上の結果を出していた子供が多く、例えば2021年度の中学受験の例では、青山学院初等部に入学した当会卒業生の中で二名が、慶応中等部と開成中学に合格しています。

 

系列大学進学率の高い附属小学校に通っていても、本人の意思で中学受験を目指したならば、小学校5年生から予備校に通っても十分に間に合うものであることは過去の例が証明しているのです。

 

しかも、通学している附属小学校の行事は全て参加し、その附属小での学びを大切にしながらの受験であり、「一生の故郷」を得ての結果です。

 

当然の事ながら、ご両親の理解と愛情という支えがあってのことですし、本人の強い意志で受験をすることがとても大切な条件です。

 

他校に進学させたいと親が考えるようになったからといって、大切な思い出を共に築いてきた友人たちと一緒に中学に進学することが当然の附属小学校の生徒なのですから、無理強いするのは禁物です。

 

思い出を共有してきた友人は生涯の友であり、先生方は生涯の恩師です。内部進学という道を選ばず、身に着けた財産を無にせず、自身の意思で新たな世界に飛び込むことが出来る子供は、学習を継続し続ける粘り強さと、精神面の成熟度を併せ持っています。


前述の二人は、それぞれが学業以外の分野で極めて目立つ活躍をしていました。受験準備も、学業以外の活動もこれまで通り続け「二兎を追う」事が出来たのは、「親が子供の成長に応じた受験時期を見極め、支え続けられる存在」であったからです。

 

彼らが社会人として落ち着いた頃、親心が理解できる日が来るでしょう。

 

このブログを書いている間に。青山学院初等部入学から12年後の今年、青山学院大学に入学することになった卒業生が、お母さまと一緒に挨拶に来てくれました。

 

あの幼かった〇〇ちゃんが大人になり、大学生の日々への夢を語っています。一緒に初等部に入学した友達の近況も伝えてくれました…

 

早くコロナが収束し、本来の大学生活を彼女が謳歌できる日が来ることを切に願うばかりです。


 

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